新ジャンル(リキュール(発泡性))ながらも、ビールに期待される味わいを深いコクとしてガッツリと再現しているからではないでしょうか。つまり、低価格で本格的なビール体験を提供されています!
公開情報からは、アルコール度数、たんぱく質、糖質、苦み成分について特徴を把握することができます。
まず、アルコール度数6%が大きな特徴です。これは一般的なビールの5%よりも高く、ストロング系新ジャンルに多かった7%以上でもないです。ストロング系新ジャンルの多くは終売されたので、この6%がカギかもしれません。
その他の栄養成分では、たんぱく質量は100mLあたり0.4gとキリンラガー以上一番搾り程度と高めで、糖質は100mLあたり2.5gと、キリンラガーより低く、一番搾りと同程度です。スピリッツを使用しているという大きな違いを除けば、原材料はキリンラガーに近いですが、たんぱく質と糖質の分析値は一番搾りに近いことが分かりました。
公式ウェブサイトではドイツ産ホップ由来の上品な苦みと低温長期熟成へのこだわりについて情報発信されています。大手ビールメーカーの使用するホップはそもそもドイツとチェコ産が殆どを占めているはずで、ドイツ産ホップに惹かれる消費者は少ない気はするのですが、正統なイメージを強調したいのかもしれません。ビールと新ジャンルの違いはありますがサッポロビール社のエビスも低温長期熟成が採用されております。味わい成分が非常にリッチなため通常の熟成期間では荒々しさが抜けず、長期間の熟成が必要なのでしょう。
コクは様々な種類の味(甘味、苦味、酸味等)のバランスに因ると言われており、情報は公開されていませんが、ホップ由来の苦み成分量や有機酸量も気になるところですが、一番搾りに近いたんぱく質と糖質量、ドイツ産ホップ由来の上品な苦み、それにアルコール度数6%が組み合わさることで味わいの複雑さが増し、深いコクを表現できているのかもしれません。
サントリービール社金麦ゴールドラガーやアサヒビール社アサヒザ・リッチも後追いで発売され、アルコール6%でコクを売りにしたこのスタイルを盛り上げているのが面白く、今後これらの比較についても考察していきます!