ビールは容器によって保存状態や風味が変わります。ケグ(樽)、缶、瓶のそれぞれの特徴と品質への影響を解説します。
1. ケグ(樽)
ケグは主に業務用で使用され、ビールの鮮度を保つのに優れた容器です。
- 充填時からビールと酸素の接触が少ないため、酸化による劣化が遅い。
- 遮光性が完全で、光による劣化(スカンク臭)が起こらない。
- 炭酸ガス(CO₂)を適切に管理できるため、ビールの炭酸や香りが長持ちする。
- ただし、一度開栓すると酸化が進みやすく、短期間での消費が望ましい。
2. 缶
クラフトビールでも缶の採用が一般になりつつあります。
- 完全な遮光性があり、光劣化の心配がない。
- 密閉性が高く、充填後は酸素の侵入が少ないため酸化を抑えられる。
- 軽量で持ち運びがしやすく、冷却も早い。
- 内側にコーティングが施されており、金属臭の影響はほぼない。
- 一度開封すると保存が効かないため、飲み切る必要がある。
3. 瓶
伝統的なビール容器で、今も多くのビールが瓶で流通しています。
- 茶色の瓶は遮光性が高いが、緑や透明の瓶は光劣化しやすく、スカンク臭が発生するリスクがある。
- 瓶内に残存するわずかな酸素が長期熟成に適する場合もあるが、新鮮さを重視するビールには不利。
- 見た目の高級感があり、コルクとの組み合わせによっては、さらに味わいのイメージに影響を与えることも。
- 再度閉栓可能な瓶や器具等を使用すれば、再度密封は可能。
まとめ
- 新鮮さを保ちたいならケグや缶が有利。
- 長期熟成を楽しみたいなら瓶も選択肢。
- 缶は携帯性や保存性が高く、日常的な飲用に向いている。