飲酒と寿命の関係については、さまざまな研究が行われています。適度な飲酒が健康に良いとする意見もありますが、近年の研究では、飲酒量と健康リスクの関連性が再評価されています。
例えば、国立がん研究センターの研究によれば、男性で週に1～2日の休肝日を設け、かつ週の総飲酒量が150g未満の場合、全死亡リスクが低下することが示されています(epi.ncc.go.jp)。一方、週300g以上の飲酒は、健康リスクを高める可能性があります。
また、厚生労働省の指針では、1日あたりの純アルコール摂取量を約20g程度とすることが適度な飲酒とされています。これは、日本酒で約1合、ビールで中瓶1本(500ml)、ワインでグラス2杯(200ml)に相当します。
さらに、2018年に発表された国際的な大規模研究(The Lancet)によれば、最も寿命が長くなる飲酒量は1日あたり純アルコール10g程度であるとされています(thelancet.com)。これは、日本酒で0.5合、ビールで250ml、ワインでグラス1杯(100ml)程度に相当します。それ以上の飲酒量では、心血管疾患やがんのリスクが増加し、寿命が短くなる可能性が示されています。
しかし、近年の研究では、少量の飲酒であっても健康リスクが増加する可能性が指摘されています。例えば、2024年に発表された研究では、軽度の飲酒でもがんによる死亡リスクが増加することが報告されています(nypost.com)。さらに、2025年の報道では、適度な飲酒の健康効果に対する疑問が提起されています(theatlantic.com)。
これらの情報を総合すると、飲酒量と健康リスクの関係は複雑であり、個人の健康状態や遺伝的要因、生活習慣などによっても影響を受けます。そのため、飲酒はしない、もしくは摂取量を最小限に抑えることが、健康維持や寿命延長に寄与する可能性があります。