和菓子と発酵技術

直接的な発酵食品としての和菓子は少ないものの、材料の一部に発酵食品を用いたり、発酵の過程を利用したりする例が見られます。和菓子における発酵の役割は、直接的な発酵食品として前面に出るというよりも、素材の風味をより引き立てたり、複雑な風味を付与する存在と言えます。

発酵が用いられる和菓子の事例

  1. 桜餅の桜葉:桜餅を包む桜葉は、塩漬けの過程で酵素反応が進み、独特の芳香を有するクマリンを遊離させます。
  2. 味噌餡や醤油餡:味噌や醤油といった発酵調味料がしばしば和菓子に使用されます。これらの塩味、旨味、そして独特の風味が、和菓子の甘さと調和します。
  3. 甘酒(米麹):甘酒は、米麹を発酵させて作られる甘い飲み物ですが、和菓子の材料として用いることがあります。甘酒由来の自然な甘さと、発酵による複雑な風味が、和菓子に独特の風味を与えます。

奈良漬け:奈良漬けは、野菜を酒粕で長期間漬け込んだ発酵食品です。この奈良漬けを刻んで餡に混ぜ込み、風味のアクセントとして添える和菓子が存在します。

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