どちらもアサヒビール社が販売するノンアルコールビールテイスト飲料ですが、そのコンセプト、原材料、製造方法、栄養成分、そして風味に大きな違いがあります。
1. 原材料と製造方法
アサヒドライゼロ
- 原材料:食物繊維(米国製造又は仏国製造又は国内製造)、大豆ペプチド、ホップなどが主原料です。これに炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)などが加えられています。
- 製造方法:麦汁を一切使用せず、香料などの調合技術によってビールの味を再現しています。製造に酵母による発酵を利用せず、甘みや雑味を抑え、すっきりとした後味を目指しています。また、ろ過前に氷点下2度程度で貯蔵する「氷点貯蔵製法」により、クリアな後味を実現しています。
アサヒゼロ
- 原材料:麦芽(国産麦芽)、スターチ、麦芽エキス、ホップ、大麦、コーン、米などが主原料です。これに炭酸、香料が加えられています。
- 製造方法:「ブリューゼロ製法」という独自技術を用いています。これは、一度濃厚なビールを醸造してから、アルコール分を完全に除去するという製造方法です。通常のビールと比較して約2倍濃厚なビールから、2回の脱アルコール工程でアルコール分を完全に取り除くことで、ビール本来のうまみ成分をより多く残しています。
2. 栄養成分(100mlあたり)
アサヒドライゼロが「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」を徹底しているのに対し、アサヒゼロは味の追求のために一定のカロリーや糖質を含んでいます。
項目 (100mlあたり) | アサヒドライゼロ | アサヒゼロ |
アルコール度数 | 0.00% | 0.00% |
純アルコール量 | 0g | 0g |
エネルギー | 0kcal | 28kcal |
たんぱく質 | 0g | 0.1 – 0.5g |
脂質 | 0g | 0g |
炭水化物 | 0.4-1.4g | 6.9g |
糖質 | 0g | 6.9g |
食物繊維 | 0.4-1.4g | 0 – 0.2g |
食塩相当量 | 0-0.04g | 0 – 0.03g |
プリン体 | 0-1.0mg | 6.0mg |
賞味期間 | 12ヶ月 | 9ヶ月 |
3. 風味の違い
アサヒドライゼロ
- 風味のコンセプト:「ドライなのどごし」「クリーミーな泡」「クリアな後味」にこだわり、ビールらしい飲みごたえを目指しています。
- 特徴:麦汁を使用しないため、ノンアルコールビール特有の香料や味を強く感じる傾向があります。すっきりとした飲み口で、軽やかな味わいです。
アサヒゼロ
- 風味のコンセプト:「味」にこだわり、「最もビールに近い味」のノンアルコールビールを目指しています。
- 特徴:一度ビールを醸造してからアルコールを除去する製法により、ビール本来の麦の香ばしさ、コク、苦味、飲みごたえといった複雑な風味がより強く感じられます。
まとめ
- アサヒドライゼロ:カロリー・糖質・プリン体ゼロを重視し、すっきりとした軽快なのどごしが特徴。
アサヒゼロ:カロリーや糖質はゼロではないが、ビール本来の豊かな風味やコクを追求し、より「ビールに近い味」を実現しているのが特徴。