醸造酒原料用主要穀物の成分比較

この表では、発酵や醸造の観点から重要な成分である「デンプン」と「タンパク質」、「食物繊維」に焦点を当てています。

主要穀物・加工品の構成成分比較表(乾燥重量100gあたり)


大麦麦芽大麦小麦オーツ玄米白米米麹
炭水化物76g78g76g66g77g80g70g
– デンプン60g65g67g55g74g77g50g
– 食物繊維6g15g12g11g3g1g1g
– – β-グルカン4g5g少量4gごく少量ごく少量ごく少量
タンパク質10g10g13g17g8g7g8g
脂質1g2.5g2g6.5g3g1g1g
水分4g10g10g10g10g10g15g

表の数値は、主に文部科学省の「日本食品標準成分表」と各穀物を取り扱う企業の公開情報等を参考に一般的な傾向としてまとめられたものです。

比較と考察

  1. 麦芽と大麦の違い
  • 大麦麦芽は、大麦を発芽・乾燥させたものです。この発芽の過程で、大麦のデンプンの一部が分解されて糖になり、デンプンの総量が減少します。また、この過程でデンプンを分解するアミラーゼが生成されます。
  1. 米麹と白米・玄米の違い
  • 米麹は、白米に麹菌を繁殖させたものです。このため、白米や玄米と比較して、麹菌によってデンプンの一部が分解・消費されているため、デンプンの総量は減少します。
  • 麦芽と同様に、米麹もデンプンを分解するアミラーゼを豊富に含んでおり、これが甘酒や日本酒の製造に利用されます。
  • 米麹は、白米から作られるため、食物繊維の量はごく少量です。
  1. 各穀物の特徴
  • オーツは、他の穀物と比べてタンパク質と脂質が高含有であることが分かります。また、大麦と同様にβ-グルカンも豊富です。
  • 小麦のタンパク質にはグルテンが含まれます。
  • 玄米は、白米よりも食物繊維、タンパク質、脂質が豊富で、白米と他の穀物の中間的な位置づけにあることがわかります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール