ヴァイツェンの歴史

ヴァイツェンは原料に小麦麦芽を使用した、濁りと酵母由来のクローブやバナナのようなフルーティーな香りが特徴の長い歴史を持つビアスタイルです。この歴史のポイントをざっと見ていきます。

中世:ドイツ南部のバイエルン地方で誕生。家庭で醸造される。

15世紀頃:15世紀頃から専門の醸造所が出現し、ヴァイツェンもその中で発展する。上面発酵(ラガー酵母(Saccharomyces pastorianus)ではない)であること以外、製法や味わいについての記録が乏しく、詳しいことはわかっていない。自然発酵に近く、野生酵母の影響も大きかったと考えられる。

1516年:バイエルン公爵ヴィルヘルム4世(Wilhelm IV.)がビール純粋令を制定する一方で、小麦を使用するヴァイツェン醸造は公爵の特権(独占権)として制定し、ヴァイツェンは宮廷の特別なビールとしての地位を確立。

19世紀:下面発酵のラガービールの普及、ドイツ全土に向けてのビール純粋令適用等の影響を受け、ヴァイツェンの醸造所は激減。20世紀初頭には、わずか数軒を残すのみとなる。

1872年:ゲオルク・シュナイダー1世(Georg Schneider I.)、王室からヴァイツェン醸造の独占権を買い取り、独立した醸造所「ヴァイスビールブラウエ・G・シュナイダー&ゾーン(G. Schneider & Sohn GmbH)」を設立。伝統的な製法を守りながら、品質の高いヴァイツェンを造り続ける。

1960年代以降:ドイツ国内で地ビールブームが起こると、ヴァイツェンはその多様なスタイルと個性的な味わいが再評価される。昨今のクラフトビールムーブメントの波に乗り、ヴァイツェンはドイツ国外にも広まり、世界中で愛されるビールスタイルとなる。

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