ノンアルコールビール炭酸付与方法①(炭酸ガス利用)

炭酸ガス(CO2ボンベ等)を利用してノンアルコールビールに炭酸を付与する、一般的で安全な方法について考察します。

必要なもの

  1. ノンアルコールビール(ベース飲料):炭酸を付与したい液体。炭酸ガスの溶解度をあげるため事前に冷やしておきます。
  2. 食品用炭酸ガスボンベ(CO2ボンベ)
  • 食品用であることを確認します。
  • 家庭用では1kg〜5kg程度のボンベが一般的です。
  1. レギュレーター(減圧弁)
  • ボンベから出る高圧のガスを、炭酸化に必要な安全な圧力(低圧)に調整するための器具です。
  • 2つの圧力計(ボンベ残圧用と出力圧用)がついているものが一般的です。
  1. ケグまたはペットボトル用強制炭酸化キャップ
  • ケグ(ミニケグ含む):ビールを保存・提供するための専用の小型樽です。ステンレス製で、高圧に耐えられ、ガスと液体を接続するポートがあります。最も確実でプロに近い方法です。
  • ペットボトル用強制炭酸化キャップ:市販のペットボトル(特に炭酸飲料が入っていた丈夫なペットボトル)にねじ込み、直接ガスを注入できるキャップです。
  • 加圧に耐えられるその他の容器:専用品以外は危険が伴うため、推奨されません。
  1. ガスライン(ホース、コネクタ類)
  • ボンベのレギュレーターとケグ(またはキャップ)を接続するための耐圧ホースやボールロックコネクタ(ケグの場合)等。
  1. (任意)発泡防止チューブ: 液体をケグに注ぐ際に、泡立ちを防ぐためのチューブ。
  2. 冷蔵庫または冷水:炭酸ガスを効率よく溶け込ませるため。

手順

  1. 準備と冷却
  • ノンアルコールビールをケグまたはペットボトルに詰めます。この際、空気(酸素)との接触を最小限に抑えるように、容器の口元まで満たすのが理想です。
  • ノンアルコールビールを冷却し、0〜4℃程度の低温状態にします。冷たい液体ほどCO2がよく溶けます。
  1. ガスシステムの接続
  • CO2ボンベにレギュレーター(減圧弁)を取り付けます。この際、ガス漏れがないか確認します。
  • レギュレーターの出力側(低圧側)にガスラインを接続し、さらにケグ(またはペットボトル用キャップ)に接続します。
  1. 炭酸ガスの注入
  • レギュレーターの出力圧を、低めの圧力(例:10-15 PSI、約0.7-1.0気圧)に設定します。
  • ボンベの元栓を開け、ガスをケグ(またはペットボトル)に注入します。
  • ケグを使用する場合
  • 静置炭酸化:設定した圧力をかけたまま、ケグを数日から1週間ほど冷蔵庫に寝かせておきます。CO2がゆっくりと液体に溶け込み、自然な炭酸感になります。
  • 高速炭酸化(シェイク炭酸化):設定圧力をかけたまま、ケグを数分間激しく振ります。液体とガスの接触面積が増え、CO2の溶解が促進されます。数回繰り返して希望の炭酸レベルにします。
  • ペットボトル用キャップを使用する場合
  • キャップを閉めたペットボトルにガスを注入し、ボトルを振ってCO2を溶かします。圧力がかかりすぎるとペットボトルが過度に膨らむので注意し、適宜ガスの注入と振るのを繰り返します。
  1. 炭酸レベルの確認と調整
  • 静置炭酸化の場合は、数日後に一度グラスに注いで炭酸レベルを確認します。
  • 足りなければ圧力を少し上げたり、シェイクしたりします。強すぎれば、ケグの安全弁などを利用して少しガスを抜き、圧力を下げて調整します。
  1. 完成
  • 理想の炭酸レベルに達したら、ボンベの元栓を閉め、必要であればガスラインを外します。
  • ケグに入れた場合は、そのまま冷蔵庫で保管し、必要な時にサーバーで注ぎます。

利点と注意点

利点

  • 安全性が高い:圧力管理がレギュレーターによって行われるため、ドライアイスのように急激な圧力上昇や破裂のリスクが低い(ただし、適切な器具の使用が前提)。
  • 精密な炭酸調整:圧力計を確認しながらガス圧を設定できるため、好みの炭酸レベルに調整できます。

留意点

適切な器具の使用:炭酸ガス注入用に設計された高圧に耐えられるケグやボトルを使用する必要があり、不適切な容器等を使用すると非常に危険です。

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