一番搾りだけでなく、スーパードライや黒ラベルとの違いも楽しんでください!一番搾りとの決定的な違いは、原材料の違いになります。一番搾りの原材料表示は麦芽とホップですが、キリンラガーはそれらに、米、コーン、スターチが加わっています。面白いことに、このキリンラガーの原材料はアサヒビール社のスパードライやサッポロビール社の黒ラベルと同じで、海外ではジャパニーズライスラガー(Japanese Rice Lager)のビアスタイルに該当するそうです。米等の麦芽の比率を下げる目的は、主にコクをやわらげすっきりとした喉ごしを表現するためだと考えられますが、同時にホップの苦みを強調しやすくなります。しかしながら、実際には、麦芽の種類やホップの品種特性とそれらの配合割合や投入タイミング、発酵や熟成管理方法により、ビールの香味に幅を持たせることができます。キリンラガーの場合は苦みや清涼感のある香りを重視しているのかもしれませんね。
また、確認できた限り国内のビールで最も歴史が長いのがキリンラガーになります。発売当初はキリンラガービールではなく、麒麟ビールの名前で1888年にスタートしました。ヱビスビール同様戦時中に一旦ブランドは休止しましたが、戦後再開しリニューアルを続け現在に至っています。この長い歴史の中で幾度もリニューアルを繰り返しており、常に市場の期待を超え続けたことも考えながら様々なビールと飲み比べると、より一層キリンラガーを楽しめるのではないでしょうか。